学校へも行かず、夜な夜な遊び歩く様になった私達は、
説明するまでもなく、
気付けば、いつの間にか不良になっていた。
「…ほら、ちゃっちゃと返しに行くぞ」
腰に両手を当てながら、溜め息混じりにそう言うと、久恵と咲希が声を揃えた。
「ええ〜…」
「ええ〜じゃねえよ。
お前ら自分のチャリ盗まれたら悲しいだろ、
値段が高い分、その何倍も悲しいんだぞ。
しかも、仕事に使ってる人とかだったらどうすんだよ」
「じゃあ、町内一周したら返す
私まだ運転してねえし」
「ダメ、今すぐ返せ」
「……。」
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