「あ、止まりそうだぞ」 「ふぬぬぬぬ…」 程なくすると、バイクのエンジンが切れた。 「おお〜」 「おお〜、じゃねえよ。 返してこい。 どっから持って来たんだよ、これ」 バイクのライトを叩きながらそう言うと、久恵が悪びれた様子も無く答えた。 「千秋んちの裏のアパート」 「アホか! そんな危険な代物を私に乗せようとすんな!」