「…あ、そう。
自分のミス、棚に上げといて、そういう事言うんだ…」
「なんだって?」
「……。」
仲間は暗い声でボソッとそう言ったかと思うと、
次の瞬間、キッと顔を上げた。
「そんなにボール返してほしいなら
返してやるよ」
仲間はそう言って、右手に持ったボールを、大きく振りかぶった。
「バッ…バカ!やめろ咲希!!」
「ほらよ!!」
次の瞬間、
仲間は全力投球でボールを投げつけ、審判の顔面にぶつけた。
「ぐあっ!!」
直後、ボールを顔面に直撃した審判は、鼻血を出してフロアに屈み込んだ。
「……。」