正直どう答えるべきか、すごく迷った。
まともに会話ができるとは思えなかったし、上手くフォローしてくれる藍はそばにいなかったし。
私の態度で不快な気持ちにさせてしまうかもしれないって。
だけど、ここで変に取り繕って誤解されるのはなんだかイヤだった。
だから……。
『……イヤ、ではない、です……。で、でもっ、は、話すの、苦手で、えと……っ』
『いいよ、ゆっくりで。ちゃんと最後まで聞くから』
そう言って微笑んだ彼の瞳は穏やかで、すごく優しい色をしていた。
『……っ！ふ、不快じゃなければ、お願い、します……』
『うん！やろう、一緒に』
ドキドキしながら伝えた言葉。
彼は眩しい笑顔で、私の言葉を受け取ってくれたんだ──。
