「蒼生は僕たちと一緒にいたから、ベランダへは行ってないよ。」
私に悪寒が走った。
あれは、蒼生のドッペルゲンガーだった。
後ろを振り返っても、誰もいなかった。
でも、ベランダの銀色の手すりにほくそえんだ蒼生が映っていた。
実体化していないドッペルゲンガーもいることを初めて知った。
ドッペルゲンガーが現れると、その人は48時間以内にドッペルゲンガーを見つけないと死んでしまうが、蒼生は48時間がたっても元気に学校に来ていた。