話し相手がほしいときはあるが、そのときは蒼生と話すから、寂しくはない。
女子のグループ内でのいざこざに巻き込まれることもないから、気楽だ。
いつも昼休憩は図書室かベランダへ行く。
今日は晴天で太陽の光がぽかぽかと暖かそうだったから、ひなたぼっこをしに、ベランダに出てきた。
案の定、暖かかった。
ベランダの銀色の手すりに視線を向けると、反転した蒼生の口角が上がった顔が映っていた。
怖くなり、急いで教室に駆け戻った。