一つ目は、小学五年生のときだった。
給食のあとの昼休み。
私は暇を持て余してベランダに乗り出して中庭で遊んでいる子どもたちを眺めていた。
四月にクラス替えがあって新しいクラスになったが、私は人見知りなので、知らない子に話しかける勇気はなく。
そして、今に至る。
唯一話せる相手は、幼稚園からの幼なじみの男の子、唐松 蒼生(からまつ あおい)だけだった。
基本的に、休憩時間と移動時間は一人で過ごしている。