「よろしくね、川崎さんに美坂さん。草野 幸助(くさの こうすけ)です」
「川崎 奈々花です」
「美坂 さくらです」

 順番に自己紹介していく中でも、菅谷くんはやっぱり一際明るかった。

「菅谷 柊真です。草野とは中学が一緒で、あ、こいつ数学が苦手なんだけど……!」
「おい!誰もそこまで聞いてない!」
「あはは、わりぃ」
「絶対思ってないだろ!」
「だって、草野の苦手科目バレただけじゃん」
「俺が恥ずかしいから!」

 草野くんが菅谷くんをポカッと殴っている。

「じゃあ、これから班で当日の日程確認とリーダー決めをして、終わった班から自習をすることー」

 先生の言葉を聞いて、教室が一気に騒がしくなる。

「誰かリーダーしたい人いる?いないならじゃんけんで決める?」

 美坂さんがそう聞くと、草野くんが菅谷くんを指差した。

「菅谷は?リーダーにピッタリじゃん。もちろん菅谷が嫌なら全然無理しなくていいけど」

 班のメンバーの視線が菅谷くんに集まる。菅谷くんは嫌な顔一つせずに茶化すように笑った。

「俺でいいの?まぁリーダーって言っても名前だけだろうし、全然いいよ」