・「頻発性哀愁症候群」を治すこと
・高校を無事卒業すること

 きっと病気をすぐに治すことは難しい。それでも、もう進み始めていて「いつか」その日が来るような気がしていて。
 高校だって無事卒業出来るような気がした。だってもう私は自分の味方がいることをちゃんと知っている。それだけで十分だった。

 きっとこれからもっと楽しい時間が待っている。

 頻発性哀愁症候群の私たちは、これからも手を繋いで勇気を出す。時間を進めていくから。


「ねぇ、菅谷くん。私はまだ病気が治ったわけじゃないけれど……」


 その時、私の方を振り向いた菅谷くんと目が合った。



「今ね、寂しくないよ。菅谷くんがいるから」


 
 だから、きっと明日も私は菅谷くんの隣で笑っているんだと思う。


 fin.