「こんなに……こんなに、迷惑、かけてる……のに?」

 涙が溢れ、言葉が途切れる。
 ずっとずっと不安だった。本当は嫌われているんじゃないかって。
 それでも、嘘でも「大好き」と言って欲しかった。何で、夢の中の言葉が嬉しかったのか。理由は簡単だ。その言葉を純粋に信じられたんだ。
 お母さんも何故か泣きそうになりながら、うずくまる私を抱きしめる。

「どうしたの?奈々花。大好きよ、当たり前じゃない」
「こんなに迷惑をかけて、ごめんなさい。本当にごめんなさい」

 呪文のように「ごめんなさい」を繰り返してしまう。


「ごめんなさい、寂しくても死なないのに。どうして、こんなに迷惑かけてるんだろう」


 お母さんは泣きながら、私をぎゅうっと抱きしめ返した。

「ねぇ、奈々花。寂しくても死なないかもしれない。それでもね、心は弱るの。お母さんね、ずっと後悔してたわ。もっともっと奈々花に『大好き』って伝えてあげれば良かったんじゃないかって。そしたら、奈々花は病気にならなかったんじゃないかって」
「っ!違う!……これは本当にただの病気だから!」