「……部費?今更…なんで突然、、」


「森野先生曰く、写真部に新しい入部希望者が来るらしいんだよ!その子を入部させるって条件で部費を貰えることになったんだ!今の時期に入部希望者なんて珍しいけど、新しい部員なんて大歓迎だよね!!一体誰が─……」



その時、ようやく私の存在に気がついたのか…こちらに視線を寄越した眼鏡と目が合ったので、



「…どうも、入部希望者の佐倉井《さくらい》 胡桃《くるみ》です。」


どうやら私が写真部に見学に行くことは既に担任の耳に入っていたらしい。他の部活を今から見学に行くのも面倒だし先に手を打たれていたみたいなのでこの際それに乗っかることにした。



「っえ………さ、佐倉井さん?!なんで?!っえ、何でこんな万年オタク引きこもりしか集まらないような写真部にっ…?!」



……自分で言ってて悲しくないのか?



「何でって、それはっ」


「一番楽そうで文句言う人間なんて居なさそう。適当に参加して顔だけ出して帰っても何も言われないだろうから選んだ……ってところだろ」



ご名答!!!芹澤って勘がいいのか?その尖った視線と同じく鋭い洞察力には完敗です。



「……早乙女《さおとめ》、顧問に部費返してこい。この女を入部させるくらいなら今まで通り部費なんて要らない」



それ以上、私に何も用はない…と言うように自身のものだと思われるカメラを取り出して手入れを始めた芹澤。



……なんだ、その態度は。