「…女を連れて、遠出をしたのはお前が初めて。カメラを持って出掛ける際に連れて行ってもいいと思えるのも─…胡桃だけ。」


「………ほんと?早乙女氏は?」


「あいつと俺が二人きりでこういう場所に来ると思う?確かに早乙女は友達だけど、休みの日まで一緒に過ごそうとは思わない」



まぁ…たまに一緒に電気屋に行ったり、本屋に行ったりはするけど。別にそれは普通だよな?



「……お前が過去にどんな恋愛をしてきたのか知らないが、俺にとっては今この瞬間も…全部デートだと思って過ごしてたけど、胡桃は違うの?」



なんて、少し意地の悪いことを言ってみると……



「カメラデート、ばんざーい!私もいっぱい撮ろうっ!!」


そんな可愛いことを言って、カメラを持って俺から離れていく胡桃を見ていると…今度は俺の方が少し物足りなくなってくるから困ったものだ。



「ゆーり!見て、うまく撮れたよ!!」



眩しい笑顔をこちらに向けながら走ってくる彼女を見て、自分も同じように笑みを返してしまう。



あー…なんて言うか、本当に、、。




(俺も、お前の被写体になりたい。)





END.