「…え、芹澤?!芹澤って…これ撮った人?!」


目の前の写真を指さして尋ねてみると、一瞬チラりとその写真を見てからすぐに私に視線を戻し、



「部外者は立ち入り禁止だ…出ていけ」



と一喝し、それからは私を視界に入れることなく部室に入ってきて何やら作業を開始してしまった。



「ねぇ、これって何処で撮ったの?日本?こんな綺麗な海…見たことないっ!」



その写真は、まるで海と空が一体化したような…とても幻想的な風景の写真だった。これが日本なら是非とも行ってみたいと思い彼に話しかけてみたものの。




まるで私の存在なんて見えていないような態度を取ってみせる。



(─…つまんない奴。)



写真部は無理かなーと思い部室を出ようとしたタイミングで、眼鏡をかけたダサめな男子が一人追加で部室に入ってきた。



「せりざわあああぁあ!!!聞いて驚けっ!なんとっ、顧問の森野先生の素晴らしいサポートにより…部費がっ、、部費が!!!!!」



茶封筒を握りしめ、興奮気味に芹澤に詰め寄る眼鏡。ちなみに森野先生というのは私の担任だったりする。