由吏side



高一の秋─…


早乙女と二人きりだった写真部に新星の如く現れた、陽気で明るい女子が一人…入部してきた。


暇つぶしや、冷やかし目的で入ってきたのだろうと判断し…関わったこともないほぼ初対面の女子に”出ていけ”と強く言ってしまったが、、


言った後すぐに少し後悔する。



(もう少し、言い方があったかもしれない)


あまり女子に免疫がない自分は、キラキラした人気者タイプの彼女を目の前にして接し方が分からず、言いすぎたことに対して罪悪感を抱いていたのだが─…



俺に言われた言葉など全く気にしていない様子の彼女は、許可もしていないのに勝手に入部したつもりになったみたいで。



「はい、チーズっ!!」


なんて…バカっぽい台詞とともに、スマートフォンのカメラのシャッターを切った。



「新しい写真部の記念すべき最初の一枚!スマートフォンのカメラだって写真を撮れるんだから、立派なカメラのうちのひとつでしょ?私が写真部に入部して一番最初に撮った作品が…これ。」



とぼけ顔の早乙女と、不機嫌そうな俺。それから眩しいほどの笑顔でピースサインをしている彼女が写っているその写真は─…



悪くない作品だな、っと思った。