「よく撮れてるだろ?着飾ったり、キメ顔をしてるお前より…こんな風に自然体で笑ってる胡桃を撮りたいから。だから拒んだだけで…お前を撮りたくないとかそんな理由で断ったわけじゃない」
大切なものを扱うように、アルバムのページを捲っていく由吏。その眼差しはまるで愛おしいものを見るような瞳で…胸がドクンと高鳴る。
「……確かに、パンフレット用に掲載する写真を撮って欲しいと頼まれたが。それが制服モデルの生徒の撮影なんて知らなかった」
「…本当に?」
「知ってたらちゃんと、胡桃に相談したよ。」
知らなかった事実がどんどん明かされていく。その度に胸が焼けるように熱くなり…由吏への好きという気持ちがどんどん募っていく。
「引き受けたからには…ちゃんと撮影には参加するつもりだけど。頼まれたから撮るだけで、俺が望んで撮るわけじゃないから」
さっきまでとは違う。ちゃんと先に本心を聞かせてくれたから…理不尽なことを言われているとは思わない。