「……そこまで開いたなら、早く次のページ捲れば?」
「そ、そんな急かさないでよ!こういう大切なものはじっくり楽しみたいタイプなの」
「あー…見ててイライラする、貸してみろ」
「わぁっ…ちょっと、待っ…て、、」
私からアルバムを奪った由吏が、躊躇なく次のページを捲ってしまったことにより─…
彼の favorite photo が一体何だったのかが、明らかになった。
「……え、由吏って私のストーカー…」
「なわけねぇだろ。ほら…早乙女だってちゃんと存在してる」
鍵付きのアルバムには、私や早乙女氏の写真が沢山貼り付けられていた…っと言っても、9割は私の写真ばかりで…早乙女氏が載っているページは僅か1割程度だが。
「……私って、由吏のお気に入りだったんだ」
「今更…?気付くの、遅すぎんだろ」
そんな素振り、今まで一度だって見せてくれたこと無かったよね…?