「……俺がお前のことを一度も撮ったことが無いと言われるのは、心外だな」


もうこの話は終わり、っと私の中では言いたいことが言えたので気が済んでいたのに…由吏は何だか不服そうにしている。


そして、私のそばを一度離れると…自分のロッカーの中から一冊のアルバムのようなものを取り出してきた。



「あ…それ!私がいくら見せてって頼んでも見せてくれなかった鍵付きのアルバム!!」



タイトルも何も無い、真っ黒なアルバムには…簡易的ではあるが鍵が付けられていて。いくら頼んでも見せてくれなかった由吏の私物のアルバム。



「こんなくだらない事で、お前の機嫌が悪くなるくらいなら…いくらでも見せてやる」


一体、何を見せようとしているのか…何だか怖くなってきたが、、ずっと見てみたいと思っていたアルバムなので…そっと手に取って開いてみた。



【My favorite photo】


っという文字が並ぶ小さな紙が一枚、最初のページに挟まれていて…由吏の”お気に入りの写真”がこの先に存在するのかと思うと緊張して手が震える。