「それなのにお前、最後まで話を聞くどころか早乙女の手を取って出ていくし。何考えてんだってムカついたけど─…泣かせるつもりは無かった」


ごめん…と言って、謝った由吏を見ていると余計に泣けてくるから困る。



「もう、西森も一緒に送っていくなんて言わないから…だからいい加減、機嫌直せよ」



由吏は私が怒っていると思っていたみたいだが、そういう訳では無い。いや…確かに腹が立ったしムカついたけど、これは怒ってるとかそういうのじゃなくて。



「…由吏さ、私のことは撮らないって言ったくせに雪乃ちゃんのことは撮ってあげるんでしょ?」



─…全部…私のただの嫉妬なんだ。



「あー…まぁ、教頭に頼まれたから」


「へぇ…私が頼んでもダメだって言ったのに。モデルが雪乃ちゃんだったら撮ってあげるんだね」



頼まれたから撮るだけ、撮りたくて撮る訳じゃないとか…どうせそんな理不尽なこと言ってくるのだろうけど。


何も知らされていなかったのが悲しかったので、少し意地悪を言いたくなったんだ。



だから別にその話を断って欲しいとか、ついでに私のことも撮ってくれと頼むつもりは無い。