「さ、佐倉井さんっ…俺で良かったの?芹澤、なんか不服そうにしてたけど…本当に俺と一緒に帰って大丈夫?!」


「……ごめんね。私の嫉妬とワガママに付き合わせて、、本当にごめんなさい」



学校を出てから…気まずそうに隣を歩く早乙女氏を見て、何の関係も無い彼を巻き込んでしまったことを深く後悔した。



「いや、いいんだ…佐倉井さんみたいな綺麗な女の子と一緒に歩けるなんて、何かのイベントでランウェイを歩くよりずっと嬉しくて自慢だよ」



落ち込んでいる私のことを励まそうと思ったのか、訳の分からない発言をしている早乙女氏が可笑しくて…つい笑ってしまった。



「うん…その顔っ!佐倉井さんはやっぱり笑顔が一番可愛らしいよ。ほら、芹澤も笑ってる佐倉井さんの方が好きだと思うから…元気だしてね」



由吏が私のことを好き、なんて。そんなこと…あるはずが無い。だって私が頼み込んで彼女にしてもらっただけで…由吏の口から”好き”なんて言葉を聞いたことは一度だってないのだから。