別に、間違ったことを言ったつもりは無い。私と由吏と一緒に帰らなくても…この場には早乙女氏だって存在するのだから。


彼女持ちではない彼に、雪乃ちゃんが送ってもらえば丸く収まる話だ。



「……早乙女の家は、俺と西森とは逆方向。だから方向が同じ俺が送ってやるのが効率的だって結論に至った」


どうやら早乙女氏の家は由吏とは逆方向。っということは─…私と早乙女氏の帰る方向が同じだということになる。


つまり、言ってしまえば…私が早乙女氏と一緒に帰れば─…由吏と雪乃ちゃんは私を送るためにわざわざ遠回りをして帰る必要が無くなると言うわけだ。




「………分かったよ。私が早乙女氏と一緒に帰ればいいんでしょ」



鞄を手に取り、由吏の顔を見ずにそのまま背を向けて写真部を出ようとした。



「そんなこと、言ってないだろ。お前…何怒ってんの?先に西森を送ってから、、」


「うるさいっ…そんなに一緒に居たいなら、二人きりで帰ればいいじゃんっ!私は今日は早乙女氏と一緒に帰る!!もう決めたの!」



近くでオロオロしながら傍観していた早乙女氏の腕を掴んで、逃げるように部室を飛び出した。