なんとなく…二人が一緒にいる所を見ているのが辛くて。彼らに背を向けて再びカメラかまえて、気持ちを落ち着かせようとした。


その時…後ろから襟元をぐっと掴まれて、驚いて振り返ると、、



「……で?よく撮れた写真って、どれ?」


少し離れたところで可愛らしい後輩女子と戯れていたはずの由吏が、私のすぐ後ろで突っ立っていて物凄く驚いた。



「あ…あの、さっきの子は?由吏、写真を見て欲しいって…頼まれてたよね?」


「あぁ…中学の時の部活の後輩、名前は忘れた。見てくれとは言われたけど…すぐにお前を追いかけたから、どんな写真だったのかは知らない」



そう言って、私の手の中にあるカメラを勝手に奪った由吏は…厳選しておいたフォルダの中に収められている写真に目を通していく。



「……いいの?後輩の女の子、置き去りにして」


「いいだろ。お前の方が先だったんだから」


「……え…?」


「胡桃の方が先に俺の名前を呼んでたこと、ちゃんと知ってたよ」



由吏のこういう優しいところ、、本当に好きだなぁ…って思う。