「うわぁ〜…綺麗っ!由吏、見て!!いい感じに撮れたよ!」
山を登った先にあった公園には、とても綺麗な梅林が広がっていて…夢中でシャッターを切り続けた。
その中でもいい感じに撮れたと思ったものを厳選し、評価してもらおうと…由吏の元まで走った。
しかし、その先で──…
「芹澤先輩にここで会えるなんて、嬉しいです」
なんて言って、嬉しそうに笑顔を見せる女の子が一人…由吏の隣に立っていた。
彼女は手に持っていたカメラを由吏に見せると、
「……どうですか?自分ではよく撮れたと思うんですけど」
どうやら私と同じ行動に出たらしく…撮った写真を由吏に披露しているみたいだった。
先を越された、っというか…何とも親しげな雰囲気の二人を見て心臓がキュッと締め付けられた。
先輩と呼んでいたところをみると…おそらく年下なのだろう。もしかしたら中学の時に同じ部活だったのかもしれない。