あの違和感を感じたことすら忘れかけていた
5月のある日。
朝早くに教室に行くと松本くんがいた。
「おはよう!佐藤さん!」
『お、おはよう…』
驚いてぎこちない挨拶になってしまった。
「佐藤さんっていっつも朝早いん?」
『まあ。あんまり朝慌てたりしたくないから。』
「俺今日朝練の準備しないとで早く来たんだけどまさかこの時間にもう来てる人がいるとか思わなかったよ笑すごいね早起き。俺苦手。笑」

ただの世間話のなかで松本くんに褒められた。
誰もいない。二人っきりの朝の教室。
さすがに意識…するかも。