自転車でいつもの坂道を駆け上がる。
いつもはきつくて苦しいはずなのに、今日はなぜか少しだけ空がきれいだと感じた。

「おはよう!利奈!」
この子は私の親友の仲道もえ。どんなときもそばにいてくれる最高の友達。
「利奈〜またおんなじクラスになれてほんっとに良かったよ〜」
『うちももえと一緒のクラスで心強いよ〜』

HRのチャイムが鳴る。
新しい教室。新しい担任。そして新しいクラスメイト。
それらを物珍しくちらちらと見ていると、遠くの席の前後で話をしている仲の良さげな男子の1人と目があった。

爽やかな笑顔で会釈を交わした。
私も慌ててすぐに返した。
そして目をそらした。

この心臓の音が緊張なのか、人見知りなのか、
それとも…