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「あ。おはようございます、先輩」


「おはよう」


「昨日の花見、楽しかったっすね」


「途中からずっと、桜じゃなくてカード見てたけどね。みんな」


「今時っすね」


「いや絶対違うよ。
あ、建て替えてくれた分の領収書持ってきた?」


「うん、後で出す。
それよか、楽しかったですか?昨日」


「えぇ?さっき同意しなかったの、気に食わなかった?」


「今も同意してくんないやん。なんで?」


「総評:手放しで『楽しかった』とは言い難い」


「……ほな、行ったこと後悔しとんですか」


「良かったことなら、2個ある」


「え?」


「そのイチ、桜は綺麗だった。
そのニ、大富豪で神崎くんに勝てた」


「『そのサン、俺と一緒に買い出し行った』を忘れてますよ」


「それはランクインしてないのよ」


「えー」


「まあ……たまには外の景色を見るのも、悪くないかなって」


「結構楽しんでるやん」


「嫌なこともあったけどね」


「それは忘れるとして。
来月、何するか知ってます?」


「知らない。何?」


「いちご狩りらしいですよ」


「えっっっ!」


「いつも行ってるトコが、5月はちょい安くなるんやって。実行委員の人が言うてた」


「大好き」


「え」


「いちご!人生で一度は行ってみたかったんだよねぇ……!
ちょっと……いや、かなり楽しみカモ」


「……大丈夫。こんなベタな会話にドキマギするほど、俺は落ちぶれてない」


「何モソモソ言ってんの?朝礼始まるよ」


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