「救急隊員……ストーカー」
 
 そのワードを聞いて真っ先に思い出すのは、グレーの服を着た救急隊員。そうマンションで待ち伏せしていた女性だ。

 そのニュースは亜沙美も気になったのが、テレビの画面を凝視している。

「身近な地名の事件って怖いよね」
「そうね……」

 亜沙美からは、心ここにあらずな返事が返ってきた。なにか気になることでもあるのだろうか。

 その真相を知ることになったのは、この日の勤務終わりだった。

「ひまり!」

 亜沙美と幼稚園を出たところで、少し懐かしさの感じる声に呼ばれた。

「凛太郎さん……」
「迎えにくるのが遅くなってすまない」
「え……」
「すべて解決したんですか?」

 驚き戸惑いの声を上げる私と、はっきりとした口調で凛太郎さんへ詰め寄る亜沙美。

「えーっと森田さんですか?」
「はい」
「彼女の件はきちんと解決しました。その節はありがとうございました」
「それなら良かったです」
「亜沙美? どういうこと?」