亜沙美の中では、すっかり彼女はニセモノになっている。でも、あれだけ自信満々に乗り込んで来るだろうか。

「まあ、とりあえず数日うちに泊まって、ひまりがいなくなったことで大崎さんがどうするか見物よね」
「どうもしないかもよ?」
「まあまあ。様子見ね」

 私は一先ず寝泊りできるところがあって安心だけど、亜沙美は確実に楽しんでいる。

 この時、私のスマホには凛太郎さんからの着信が入っていたけど、まったく気づかなかった。居酒屋を出る頃には、瞼が今にも閉じそうで亜沙美の家まで歩くのが精一杯。

 亜沙美の部屋へ着くなりぐっすりと眠ってしまった。

◇◇◇

――ピコピコピコ

「はい」
「えーっと、どちら様?」

 今朝勤務を終えて帰ってきた俺は、ひまりの用意してくれた朝食を食べて仮眠を取った。昼に起きて掃除洗濯をしようと思ったら、綺麗ですることがない。俺の方が時間的に余裕があるのに、大半をひまりがしてくれている。気を遣わなくていいと何度も言ったのだが……