「う、うん……」

　そこは疑いようのない真実だ。

「で？　ひまりの身の回りの物を揃えてくれたり、家に住ませてくれた？」
「う、うん」
「それって、ひまりのことが好きってことでしょ？」
「へ？」
「何？　その返事。だって、何とも思わない人相手にそこまでしてくれるわけないよ。いくら自分が火事の現場から救ったとしても。そんなことしてたら、キリがないじゃない」
「それはそうなんだけど……」

　亜沙美の言うことも最もだ。あの時、凛太郎さんが何か言っていたけど、はっきりと思い出せない。

「で？　大崎さんはどんな人？」
「うーん。背が高くて、美里先生やうちのクラスの女の子達がイケメンって言ってた」
「え？　もしかして、美里先生が言ってた超イケメン？」
「た、多分……」
「いいなぁ」

　そういえば、亜沙美はアイドルが好きで推し活していたはずだ。

「まあ、でもまずはその女との関係をはっきりさせないとね」
「うん」
「いつかはその彼を私にも紹介してね」