凛太郎さんが二十四時間勤務でいないことを知っていて、私を待ち伏せしていたに違いない。

 部屋に戻っても、彼女の言葉が頭から離れなかった。

 確かに私は凛太郎さんに甘えている。銀行口座も手続きが終わったし、家を探すこともできた。居心地が良くて居座ってしまっていたのだ。

 何もする気にならず、スマホで住宅情報を眺める。

 やはり団地のあった山手と違って、この辺りの家賃は高い。家賃や光熱費など何も払わずに、ここに居座っていたなんて厚かましいにもほどがあった。

 生活を助けてもらうだけではなく、服など一通り揃えてもらうなんて、傍から見たらあり得ないだろう。しかも同棲予定だった彼女の立場を考えたら、いくら恋愛関係にはなっていないとはいえ、文句を言うのも当たり前だ。

 自分の彼氏が他の女性と同居するなんて考えられない。

 きっと優しい凛太郎さんのことだから出て行ってほしくても、私から出て行かない限り言わない気がした。