翌朝、大きなベッドの上で目覚めた。隣に顔を向けるとイケメンが眠っている。

 昨夜、男女の関係に変化があったかといえばノーで、ただ同じベッドで眠っただけだ。

 同じベッドで眠ることになった時、キスされたらどうしよう? と一人で心配してドキドキしていたのが恥ずかしい。外では手を繋ぐのに、部屋では指一本触れることがなかった。触れられなければ心配になるもので、私に魅力がないのかと悩んでしまう。矛盾しているけれど、不安になってしまった。

 まだ二人の関係は曖昧で、一緒に住むことになっただけ。なのに、確実に私の中で気持ちに変化が現れている。

 私のペースに合わせてくれようと我慢していた凛太郎さんの気持ちは、微塵も伝わっていなかったのだ。

 この微妙な関係が、新たな問題を巻き起こす。

 すでに両想いだったにも関わらず、話がややこしくなってしまうのだ。

 居候だと思っている私が、凛太郎さんと付き合う日はやって来るのだろうか――