幼稚園で子供達をプールに入れることがあっても、プールで遊ぶなんて何年振りだろうか。

 しかも、男性とデートもしたことがないのに、いきなり水着姿を披露するなんて、急に決まったこの状況でもなければ尻込みしていた。

 プールに行くと、私達以外にもカップルが数組いて、誰もが楽しそうにしている。

 私と凛太郎さんも、傍から見たらカップルに見えてるだろうか。見えていたらいいなと思っていた。

「楽しいね!」
「ああ。楽しそうなひまりを見ると、俺まで楽しくなる」

 サラッと照れる言葉を口にする凛太郎さんと、満足するまで遊んだ。

 プールから上がって併設されているスパを利用する。当日決まったと思えないほど私達はリゾートを満喫した。

 最上階のレストランでの食事も最高で、残さず平らげる。焼肉の時に見たはずなのに、凛太郎さんは私が食べる姿に笑いを堪えていた。

 火事でどん底だったはずが、今は幸せ過ぎて怖いと思ってしまうほどだ。

 そしてやはりと言うべきか、困難は待ち受けている――