至れり尽くせりとは、こういう時に使うのだろう。

 凛太郎さんがバスルームに行ったので、私は窓からの景色を楽しんだ。どれだけ見ても飽きない。

「はぁ、さっぱりした」

 振り返ると同じバスローブに身を包んだ凛太郎さんが、髪を拭きながらバスルームから出てきた。胸元がはだけて色気がだだ漏れで、目のやり場に困る。

「どうした? 顔が赤いぞ」
「だ、大丈夫だから」

 凛太郎さんの色気にやられたとは本人に言えるわけがないのだ。

「これからどうする?」

 どうすると聞かれても、服がないから部屋からは出られない。

「ホテルに頼んで水着を用意してもらうか? 屋内プールもあるぞ」
「え! ホントに!」
「ああ」

 思わずテンションが上がってしまった。こんなに素敵なホテルに泊まれるだけでも嬉しいのに、プールで遊べるなんて最高ではないか。

 凛太郎さんがフロントに連絡すると二人分の水着を用意してくれた。せっかくここへ泊るのだし、楽しまなくてはもったいない。