「ふふっ」

 姉弟コンビの会話に、思わず笑ってしまった。

「笑ったな」
「凄く仲が良いから羨ましくて。私、一人っ子でもう身内もいないから、家族っていいなぁと思って」
「ひまりちゃん……私を姉だと思っていつでも頼ってね。私はひまりちゃんの味方だから。凛太郎と喧嘩したらいつでもここへいらっしゃい」
「凛子さん……」
「姉貴、人聞きの悪いこと言うな。喧嘩なんかしないから。でも、ひまりの味方っていうのは同感だ。もう家族も同然だ」
「あんたもたまには良いこというじゃない」
「うるさいな。帰るぞ」
「はい! ありがとうございました」

 双子の不満顔に後ろ髪を引かれたけれど、いつでも会えるという凛太郎さんの言葉に納得した。

 大袈裟かもしれないけれど、生きていたらいつでも会えるのだ。あの時、火事現場で凛太郎さんに助けられて私は生きてる。

 助けてもらった命だからこそ、大切に生きていきたい。

 繋がれた手から凛太郎さんの温もりが伝わる。