「凛太郎さん、普段朝食はどうされてますか?」
「適当」
「私はパンなんですが、あったら食べますか?」
「ああ」

 食パンとヨーグルトなど、カートに入れた。レジへ行くともちろん凛太郎さんに払ってもらうことになる。申し訳ない気持ちが大きくなっていくけど、今の私ではどうすることもできないのが現実。早く銀行に行って再発行の手続きをするしかないのだ。
 
 レジでお会計をして車へ戻る。下着以外の荷物は凛太郎さんが持ってくれている。私も持つと言ったけど断られたのだ。

 ショッピングモールでは常に手を繋いでいる。カップルのような雰囲気に勘違いしそうだ。現にすれ違う女性は凛太郎さんを見て振り返っている。

「今の彼氏、背が高くてイケメンだったねー」
「思ったー」
 
 そんな会話が私までしっかりと聞こえてきた。

 美里先生や園児にまでイケメンと言われるのだから当たり前か……

 隣を歩いているのが私でいいのかと思ってしまう。凛太郎さんは恥ずかしくないだろうか。