「ご馳走様でした」
「ああ」

 お支払いをしてくれた凛太郎さんへお礼を伝えた。

 私の買い物は一通り終えたし、次はどこへ向かうのだろうと思っていたら、手を繋がれて歩き出す。

「次はどこへ?」
「食品を買って帰ろうと思って。今、冷蔵庫の中は飲み物しかないんだ」
「自炊されるんですか?」
「ああ」
「これからお世話になるので、料理は私に任せてもらってもいいですか?」
「ひまりも仕事をしてるし、無理しなくていいんだぞ」
「私も基本自炊なので」
「じゃあ、できる方がするっていうのでどうだ?」
「はい!」

 同棲中のカップルのような会話に、照れてしまう私。彼氏がいたらこんな感じなのかと想像した。

 食品売場では、凛太郎さんがカートを押してくれる。

「今日の夕食はどうしますか?」
「そうだな、昼が焼肉だったから軽い物がいいな」
「じゃあ、パスタとかどうですか?」
「いいな」
「じゃあ」

 必要な物を次々とカートへ入れて行く。