退院の日を看護師に教えてもらった俺。

「晴馬、明後日の休み代わってくれ」
「は? どうした? 代わってくれることはあっても代わってくれなんて頼まれたのは初めてだな」
「ああ。どうなんだ?」
「そら、もちろん代わらせていただきますよ。でも何があるんだ?」
「いいだろう!」

 まだ今は親友と言えど話せる段階ではない。いつか必ず紹介するからと心の中で誓う。

 これで準備は万端だ。あっ、でもまだ足りない物がある。

「もしもし?」
「姉貴、俺」
「凛太郎から電話なんて珍しい。何?」

 訝し気な問いかけが聞こえた。

「小柄な二十代の女の子用の服をくれ」
「はあ? どこの誰?」
「それはいいだろう? で? くれるのか?」
「体型がわからないからワンピースでいい?」
「ああ」

 ひまりを病院へ迎えに行く前に、姉の経営するブティックへ寄って受け取ってきた。そこでも誰かと聞かれたが、スルーする。

 そして、準備万端でひまりを迎えに行って、今に至るのだ。着々と同棲の準備が整っていく。