「サイズをお出ししましょうか?」
「え? は、はい」

 何度も同じ商品を手に取っているのを見られていた。

 全て燃えてしまって新生活を始めるこの機会に、心機一転いつもより大人っぽい下着に挑戦するのも悪くないかもしれない。

「あの、このサイズでこっちの色もありますか?」
「少々お待ちください」

 大人っぽいレースを色違いで二着選んだので、もう一着はいつも通りのベージュを手に取る。

「お待たせしました。商品ございました!」
「じゃあ、これとその二着を」
「かしこまりました」

 自分の下着を買うのにこんなにドキドキしたのは初めてだ。お会計をして紙袋を受け取り店を出ると、凛太郎さんが店の前のベンチに座って待っていた。

「すみません。荷物ありがとうございます」
「いや。それより買えたか?」
「はい」
「あとは何が必要だ?」
「えーっと。多分、当面生活するのに困らないかと……」
「そうか。じゃあ、少し休憩しよう。ちょうどランチの時間だな」
「はい。お腹空きました!」