確かにまずはスマホが必要なので、どうしたらいいのか考えていた。

「いいんですか?」
「ああ、もちろんだ。ただ、以前のスマホは忘れずに解約しろよ? スマホ本体がないのに、契約したままになるぞ」
「はい。何もかもお世話になりっぱなしで、本当にいいんですか? 私になにかできることはないですか?」
「そうだな。ひまりがいつも笑顔でいてくれたらいい」

 イケメンの言葉は破壊力が半端ない。今は何もできないけれど、いつか恩返しをしようと誓う。

 その後も、仕事に着て行く服、普段着、パジャマに靴と、どんどん購入して紙袋が増えていく。

「一度、車に荷物を置いてくるから、その間に下着を選んどいて」

 そう言うとお札を渡して、さっとその場を離れて行った。どこまでも気遣いのできる男性だと感心する。

 今は遠慮していてもしょうがない。待たせるわけにはいかないと、ランジェリーショップに入って物色する。

 いつもは服に透けにくいベージュを選ぶけれど、今日はピンクや白に目が向いた。