「大崎さんは」
「凛太郎と呼んでくれ」
「へ?」
「坪井ひまりさん。ひまりって呼んでいいか?」
「え……なんで?」
「子供達にひまり先生って呼ばれてたし、ご近所の人達にもひまりちゃんは大丈夫なのか? って現場で何度も聞かれたよ」
「皆さん無事でしたか?」
「ああ、幸いにも死亡者はいなかった」
「よかった……」

 自分が大変な目に遭っているにも関わらず、ご近所の人達の安否がわかり安堵する。

 そんな私を見て、凛太郎さんが私を守ると心の中で誓っていたとは思いもしなかった……

 天涯孤独になってしまった私が、最強の男を手に入れた瞬間だ。

 母が天国で心配して出逢わせてくれたのかもしれない……

 突然、イケメンとの新たな人生がスタートすることになった。