でも今ならわかる。

 凛太郎さんがどれだけ私のことを大切にしてくれているのかを――

 この日を待ってくれていたに違いない。

 夕食も前回と同じレストランでいただいた。

 美味しいはずの食事が、緊張であまり味がわからなかった。それは凛太郎さんも同じだったようで……

「俺、緊張してるみたいだ」
「凛太郎さんも? 一緒だね」

 見つめ合って笑いが漏れる。

 部屋へ戻るころには、お互い無言になっていた。

「ひまり、先にシャワーどうぞ」
「うん……」

 交代でシャワーを浴びる。先に上がってソファに座っていると、バスローブを羽織った凛太郎さんが無言で私の手を引いて寝室へと向かった。

 優しくベッドへ寝かされて、上から凛太郎さんが見下ろしている。

「ひまり、愛してる」

 言葉と共に唇が合わさり、合わさるだけのキスから段々と深くなっていく。

「んんっ」

 鼻から抜ける声が漏れた。凛太郎さんの手がバスローブから侵入して私の身体を這い回る。

「ハアンッ」