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 ひまりとドライブをして食事をするために、幼稚園まで迎えに行った。そろそろ勤務が終わっているはずなのに、なかなか出て来ない。心配になって、車を一旦パーキングに止めて幼稚園の方まで見に行った。

 すると、知らない男性と話をしているではないか。

 年配の男性……嫌な予感がする。

 俺が声を掛けると逃げるように去って行った。

 ひまりに聞くと自称ひまりの父。本当の父親かもしれないが、今までひまりのことを放っておいて今さらなんの用があるのだ?

 ひまりから父親の話を聞いても、友好的な関係でないことは明白だ。

 嫌な予感しかない。

 俺はひまりを守るためには手段は選ばない。

――トゥルルルル、ガチャ

「はい」
「姉貴、頼みがある」
「何? それよりひまりちゃんは元気? 会いたいわ」
「そのひまりのことだ」
「どうしたの? まさか振られた?」
「縁起でもないこと言うな」
「じゃあ、何?」
「義兄さんにひまりの父親のことを調べてもらえないかと」