目的地であるS湖は
キャンプ場でもあり、俺達は
テントやブルーシートなどを借りるべく


受け付けのある小屋へと入った。



『すみません、5人なんですけど
予約とか特にしてなくて、大丈夫ですか?』


『ー・・・。なんね、子どもだけか?』



愛想の悪いじいさんが俺達を睨みつけながら
大きなため息をつく。



『危ねぇから子どもだけは無理だ』


『いや、大丈夫だから』


『いいや、ダメだ。帰れ』


『帰れねぇから泊めろ言ってんだろ!?
今からだと夜中になるっつーの』



段々俺達は腹が立ってきて
口調も荒くなっていったが


それでも頑なにダメだと言い続けるもんだから
俺達は諦めて自転車を止めている所まで
戻る事にした。