3年生を送る会も終わり、卒業式も過ぎ、春休みもあっという間に過ぎていった。


今日から3年生。

1学期のスタートということでクラス替えもある。
結ちゃんと同じクラスでありますように。と
緊張しながら学校へ向かった。

「冴!おはよう!」
「あっ!結ちゃん、おはよう!」
「同じクラスかな?」
「気になるし緊張する…」

校門でたまたま結ちゃんと会うこともでき、そのままクラス表のある下駄箱まで一緒に向かった。

私の学校は1学年4クラス

1/4の確率。決して高くはない確率を祈りながら順番に見た。
伊藤という苗字ということもあり、大体1番上で結果は分かる。

「結ちゃん、私2組だった!」
「ほんと?!私も2組!」
「「やったー!」」

2人で喜んでいると、後ろからも声が聞こえた

「結ちゃん、冴ちゃんおはよ!ちなみに、俺らも2組」

そこに居たのは七尾くんと真緒くんだった。

「え!!ほんとにこの前話してたことが叶うなんで!」
「だよね!だよね!びっくり!」

結ちゃんと七尾くんが盛り上がっている横で、私も密かに喜んだ。
最後の高校生活は真緒くんとも楽しめる。
結ちゃんだけでなく、真緒くんとも一緒ということがとても嬉しかった。

「ほら、教室いくぞ」

はしゃいでいる結ちゃんと七尾くんを静めて真緒くんは先に歩き始めた。

「真緒だって嬉しいくせに〜」
「まあ、仲がいい人たちと同じことはありがたいことだよな」
「真緒ったら素直じゃないの〜」

七尾くんと話している見ると、昔の真緒くんを思い出す。
最近は少しクールな感じが多いけど、本当はフランクでいつも笑顔が絶えないのが真緒くんだったから。


教室へ到着すると再び嬉しい出来事が。
1学期の席順はだいたいが名前順。
その中でも真緒くんと席が隣だったのだ。
今年のクラスはあ行とか行が少なかったらしい。

真緒くんが隣ということもあり、休み時間は結ちゃんも七尾くんも私たちの席に来てくれていた。
そして、お昼も一緒に食べる流れになった。

「そういえば、冴ちゃん。そろそろ名前呼びどう?もう俺たち仲良しでしょ」
「あ……もう少し慣れてからでもいいですか?」
「もう、快!冴は淑女なの!」
「そっか!俺、もっと仲良くなれるよう頑張る!」
「ありがとうございます。」

七尾くんは私と仲良くなろうと色々話しかけてくれるが、まだ中々打ち解けることができない。
そして、真緒くんともどう距離を保とうかと迷っていた。

「真緒もさ!2人のこと名前呼びしたらどう?」
「俺はいいかなー」
「じゃあ私、真緒くんって呼んでもいいかな?」
「どうぞ」
「やった!」

一方の結ちゃんは気になっている真緒くんと順調に距離を詰めていた。
男子2人が購買へ行くと席を外すと結ちゃんが相談をしてきた。

「ねえ、どうやったら真緒くんともっと仲良くなれるかな?」
「男の子と仲良くなるって難しいよね」
「好きな子いるとか、好きなタイプとか快、知ってるかな〜」
「確かに、七尾くんに聞いてみるのも良さそう!協力してもらうとか。」
「よし、じゃあ快から先に落とすか」

なんだか意味も変わってきそうだが、結ちゃんの真緒くんへの気持ちは本気のようだった。

尚更、邪魔しちゃいけないし距離をうまく取っていかなければと感じた。