病室に戻ってから俺は真先に盛大な溜息を吐いていた。

でも大きな1歩を踏めた気がする。でも此処からが問題。

2週間後の事を彼女に悟られてはいけない。彼氏彼女の関係にはならない事。

この僅かな期間ではなりにくいものかもしれない。

でももしなってしまったら、俺も苦しいし志那も苦しくなるかもしれないから。

それに俺の目的は彼女じゃないしね。友達だから。

残り13日。まだまだ先は長い。悔いのないように彼女との時間を楽しもう。

……自分で言うのもおかしいけれど、今日は頑張ったと思うな。

安心して一眠りをすれば、既に外はオレンジ色になっていた。

その夕日はやけに濃いオレンジ。赤に近い色。明日も良い天気なんだろう、と思った。