彼女となるまではいかなくても良い。

友達を今作る事は、恐らく相手にとって辛い事となるだろう。

彼女なら更に辛さが増す事となってしまう。

それでも俺を知っている人が1人でもいて欲しい。

ふらりと病室を飛び出して、向かう先は外の広場。

俺からすれば何時もと変わらない風景。

じいちゃんは看護士さんと談笑しているし、チビは何かを描いている。

そんな中でベンチに腰かけている女の子が1人。

黒いワンピースにセミロングの黒髪。何処か控え目なそんな子。

入院患者でない事は確か。そんな姿の入院患者は見た事がない。