…………今、俺の記憶が間違っていなければ俺は死んだ筈だ。

なのに何故だ?どうして何時もと同じ景色が広がっている?

主治医の先生は喜んでいるし、それに育ての両親だって…………何が起こった?

「奇跡だよ」

それ以上誰も何も言わない。安楽死望んで生き返るってパターン有りなのか?

……あれ?あまり苦しくない。もしかして……んな訳ないか。

「本当に奇跡続きでね。君の病気が治っていたんだよ」

……何だと?って事は。うわ、あの手紙もう志那の手に渡ってるんだよな?

恥ずかしい。もういろんな意味で志那には会えない。

「もう暫くは入院だけど、すぐにでも退院は出来る。おめでとう」

死ぬつもりだったから、まさかこんな形で生き長らえるとは思わなかった。