やっぱりそれを言いたかったのだろう。彼はひどく驚いていた。

「し、しかし…………」

「俺なんかの為に使うよりも、他の奴に使う方が余程良い。

それに力を使った事でその“神様”死んじゃうかもしれないし」

死ぬと言う事はもう俺が決めた事なんだ。誰に口出しされてもそれは同じ。

俺にしては力強く言ったつもりだ。それも先生も分かってくれて。

ただ表情はひどく悲しい。他にも担当の人間がいる筈なのに、

どうして俺にこだわるのか?仕事の負担が減るだけじゃないのか?

治るものも治らないのはただただ苦しいだけ。逃げだと思われたって良い。

そのまま無言で彼は去って行った。