色々な気持ちがぐちゃぐちゃしたまま病室に戻れば、

主治医のおっさん……じゃなかった、先生がいた。

俺に一体何の用だと言うのだ?もう治療なんていらない人間な筈なのに。

「1つ、提案がある」

「?」

「君は知っているかい?今、この病院に“神様”が来ている事を」

神様…………ああ、確か新聞で読んだ気がする。

研究所が人々を救う力と壊す力を開発し、2人の人間に投与したと。

前者が救世、後者が破滅と呼ばれる存在。恐らく救世側だろう。

そしてこの人の言いたい事が何となく分かった気がした。だから、言う。

「俺はそれに頼らない」