「癖です。周りからは普通に話せって言われますが、これが私の普通なのです」

苦笑しながら話す志那。そっか。俺が年上だからじゃないのか。

ちょっと安心してしまった。俺に遠慮している訳じゃないんだな、って。

「そういえばもうこの天気は続かないみたいだな」

「ええ……私、雨は苦手です」

「どうして?」

「降っている間は暗いからです。雨音は好きですけどね」

雨音が好きで雨が苦手なんて、矛盾しているようで面白い。

また志那の別の一面を見れた気がする。って、こんな時にって感じだけど。

これ以上仲良くなってはいけないと思っているのに、言葉が勝手に出てくる。