何事もなかったかのように、今日も授業が始まる。

世界史は眠たくて、欠伸《あくび》が出てしまうから、必死に手で隠した。

あ〜あ、早く終わらないかなぁ。

頬杖をついて、窓の外を眺めると、そこには綺麗な青空が広がっていて、写真を撮りたくなった。

世界史の終わり頃、急にお腹に痛みが走り、私はまさか…っと思った。

この痛みは…。

お腹を強く抑え、右手を挙げた。

「せ、先生。お腹が痛いので、保健室、行ってもいいですか？」

先生に許可を貰って、私は教室を出た。

この痛み、絶対女の子の日になっちゃったやつじゃん！予定日より早めに来ちゃうなんて。

トイレに駆け込み、その後、保健室へ行った。

生理痛の薬、持ってくればよかったよ〜。

「早瀬さんお腹、冷やしちゃダメよ？辛かったら、早退する？」

保健室の先生が、温かいハーブティーを入れてくれた。

「早退は、嫌です。今日の学食、ミートパスタだし、それに、放課後は友達の家で映画観る約束してて。」

葉南の家で映画を観ようって約束をしてる。楽しみにしてたから、このまま早退なんて絶対に嫌。

「学食美味しいもんね〜。それに、友達との約束あるなら、楽しみだと思うし。でもね、無理だけはしないでよ？」